リニューアル前、最後の高島屋東館ガイドツアー
毎年、秋に開催されている「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」(イケフェス大阪)。
大大阪の魅力的な建築が一斉に無料公開される建築イベントで今年はずっと見たかった髙島屋東別館に当選!
髙島屋東別館は現在、休館中。
元々は松坂屋大阪店として建築され「東洋一の百貨店建築」とも称された歴史的建造物なんだけど今後は宿泊施設と商業テナントなどの複合施設としてリニューアルされます。
つまり、歴史的建造物のありのままの姿を見れる最後のチャンス!

高島屋東館ガイドツアー

集合場所は高島屋東館の1階ロビー。
イケフェス・フラッグがあると場所がわかりやすい。
高島屋東館の煌びやかな館内
館内に入るとさっそくの階段室。アール・デコ調の装飾デザインで煌びやかな造形美。

エレベータの装飾には、アカンサスの葉飾りをデフォルメした柱頭飾り。
階数表示の文字盤もお洒落です。

高島屋東館の外観
時間になると 20 名のラッキーな参加者で建築ツアーがスタート。
工事中なのでヘルメット着用。どんなところまで見せてくれるのか楽しみ。
案内人は高島屋東別館の建築をよく知る第一人者、建築史家の川島智生教授。
まずは外観を鑑賞しました。
高島屋東別館を鑑賞するポイントのひとつが1階と最上階。テラコッタを使ったアカンサスの葉っぱとアーチの装飾がファサードを立体的に見せます。

堺筋に面した67mもある歩廊(アーケード)

足元はカラフル。

高島屋東館の館内
館内に戻って重厚なエレベーターで地下階に移動。

エレベーターの回数表示の意匠が各階ごとにちょっと違っているのが見どころです
行き先表示の上がり・下りがいいレトロ感。

エレベータや柱に使われている大理石は、山口県産。
大理石が使われたアーチにふさわしい立派な装飾が施されている

色とりどりのモザイクタイルが敷き詰められた旧食堂。

天井の丸い箇所は、シャンデリアの名残だそう。

高島屋東館の地下スペース
さらに地下に行くと広いスペース。

なんとなく地下鉄駅っぽい?と思ったらマジでそうだった。
元々は地下鉄堺筋線の駅が建設されるはずだった跡。先に地下鉄の出入り口を建設したら計画中止になってしまいこの姿に。

地下のエレベータはまるでハイタワー3世…。
傷みの激しい箇所もたくさんあってリニューアルも大変そうだ。

屋上松坂遊園
夏はプール、冬はアイススケート場があった屋上松坂遊園への入口
大理石の重厚な手摺りとアンマッチ!?

懐かしい感じのする階段ウインドウのパネル。「屋上松坂遊園」の文字がなんとなくわかる。

エスカレーター
昭和35年に建設されたエスカレーターは工事中だから見れた見学ポイントのひとつ。

当時最新の2人が並べるエスカレータはここが百貨店初のようだ。

髙島屋東別館の屋上
竣工時はどこよりも高かった百貨店も今ではたくさんのビルに見下ろされてる。
新しい感じがしたけど関西初の屋上プール跡やアーチ窓の建屋が当時を感じさせる。

外から見えあげて空いていた穴がこちら。屋上からは覗き込めそう。怖いけど。

建屋の中は外観のアクセントになっている7階にある3連アーチの真裏。
松坂倶楽部という竹や石畳の和空間があったけど撮影禁止。今は空調設備になっていた。

高島屋東館ガイドツアーのまとめ
高島屋東館ガイドツアーは地下から屋上まで余すところなく見学できて写真も撮り放題!大満足な生きた建築ツアーでした。
この先、高島屋東館は大リニューアルされて複合施設として生まれ変わります。

できるだけ姿を残したいと言っていたけど内部を見た感じ傷みも激しいし作りも古いため今の姿から大きく変わってしまいそう。リニューアルしたら新しい姿を見にきたい。
髙島屋東別館の洋館手帖
所在地 | 大阪府大阪市浪速区日本橋 3-5-25 |
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公開 | 髙島屋史料館 シタディーンなんば大阪 |
竣工 | 1937(昭和12)年 |
文化遺産 | 重要文化財 |
公式サイト | 高島屋東別館について |
設計 | 鈴木禎次 |
現在は、リニューアルされました。
1階はフードホールのコミュニティーフードホール大阪、髙島屋東別館をリノベーションしたシタディーンなんば大阪になっています。
もう以前の姿をみることができませんが面影は残っているはずです。