会員制の社交倶楽部「大阪倶楽部」の公開見学会
日本最大級の建築公開イベントの生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2016。
大大阪の街で使われている建築を見学できるイベントをレポート。
日銀大阪支店に続いては大阪倶楽部の館内を見学。
大阪倶楽部を設計したのは安井武雄。
日本橋野村ビルや大阪瓦斯ビルヂングなどを手がけた大阪を中心に活躍した日本の建築家。
中部国際空港の管制塔や愛・地球博グローバル・コモンを設計した安井建築設計事務所は、安井武雄が創設した建築設計事務所を前身としているそうです。
大阪倶楽部の外観
石のアーチなどの南欧風の様式に唐草の縁取りやトーテムポールなど東洋風の手法が加わった重厚感のあるもの。

安井武雄は大阪倶楽部を「南欧風ノ様式ニ東洋風ノ手法ヲ加味セルモノ」と説明しています。
大阪倶楽部のメダリオン

エントランスを飾る大阪倶楽部(Osaka Club)の「O」と「C」でデザインされたメダリオンもカッコイイ!
大阪倶楽部の公開見学会
3階の1号室に集合。高い腰壁と太い梁が特徴的です。
大阪倶楽部の館内で注目するのが「ハンチ」で部屋ごとに違っているそうです。

ハンチとは、梁が柱に接する角の部分を大きくした物で建物の強度を高めます。
1号室のハンチ

東欧風の装飾模様をしたハンチは、インドのサラセン風のモチーフを取り入れているようです。
会員専用の和室

見学できなかったけど会員専用の和室もありました。
大阪倶楽部の階段

赤絨毯が敷かれた階段。手摺飾りとステンドグラスにも注目。

階段の途中の色鮮やかなステンドグラスがアクセントになっている。
談話室(2階)

談話室はのんびりとゆっくり話せそうな落ち着いた雰囲気。
談話室のハンチ

談話室のハンチは1号室と似てるけど装飾が違ってる。
常食堂(2階)
談話室の奥には常食堂。この日は営業中だったので写真撮影はできませんでした。

レクリエーション(1階)
喫茶・酒場、囲碁・将棋室、撞球室など会員かレクリエーションを楽しむ1階フロア。

会員の方が優雅にコーヒータイム。
囲碁・将棋室

囲碁・将棋室もキレイに整頓された盤がずらり。いつでも娯楽を楽しめます。
撞球室

奥にはレトロな雰囲気が満点の撞球室には、英式 2 台、米式4つ玉 3 台、ボークライン 1 台(青いラシャの台)があります。
Thurston & Co、大阪日勝亭が製作したポケットはもちろんスヌーカーの台もあったりしてまさに紳士の社交場。

1階のハンチ

1階のハンチはイオニア式っぽいシンプルな装飾で西洋風。
玄関ホール

玄関ホールは白と黒の市松模様がシックな大理石の床。国会議事堂と同じ千歳石を使っています。
泉盤には邪鬼

玄関ホールに入るとまず目に入るのが邪鬼が会館を災いから護っています。

泉盤には邪鬼の口から水がこぼれ落ちて邪悪な気を流します。
邪鬼の目は翡翠です。戦後、進駐軍に摂取されてしまった翡翠を会員がお金を出し合って購入。
大ホール(4階)

今日は、音楽イベントが開催される予定。
リハーサル真っ最中だけどちょっとだけ見学させてくれました。どうもありがとう!
大ホールのハンチ

大阪倶楽部の大ホール(4階)の装飾が施されている梁を支えるハンチ。やや控えめな感じ。
斜めハンチ

一部は耐震化のための斜めハンチ。中に鉄骨が入ってる。
公開見学会は、充実の1時間。とてもスバラシかった!
大阪倶楽部の洋館手帖
所在地 | 大阪府大阪市中央区今橋4丁目4番11号 |
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公開 | 非公開 |
竣工 | 1924(大正13)年 |
文化遺産 | 登録有形文化財(27-0015) |
公式サイト | 一般社団法人 大阪倶楽部 |
設計 | 安井武雄 |
建築家 安井武雄
大阪を中心に活躍した建築家 安井武雄。
大阪倶楽部のほかに、大阪瓦斯ビルヂングや高麗橋野村ビルディングの設計もしています。
公開日
会員でないと立ち入ることができないけど、大阪倶楽部が開催する公開見学会や生きた建築ミュージアム(イケフェス)の建物公開で会員でなくても見学できるに日があります。
大阪倶楽部では公開見学会を2カ月ごとに実施しているから機会があったら参加してみて。