ファミリアホール 最後の一般公開
神戸の街を彩っていた近代建築がまたひとつ姿を消す。
子ども服メーカーのファミリアが所有していたファミリアホール（旧三菱銀行神戸支店）が三菱地所に売却されタワーマンションが建設されます。
解体工事がはじまる7月中旬の前に最後の一般公開が開催されました。
設計した曽禰達蔵
1900年(明治33)年に竣工した旧三菱銀行神戸支店を設計したのは曽禰達蔵。
ジョサイア・コンドルから西洋建築を始めて学んだ工部大学校第１期生４人のうちの１人。
その他の3人も明治を代表する建築家、東京駅の 辰野金吾 、迎賓館の 片山東熊、旧日本郵船小樽支店の佐立七次郎です。
ファミリアホールの一般公開
あれ？５月に見たときはマスコット「スヌーピー」の石像があったんだけどなくなっていた。（本社の移転先に連れて行ってもらった！？）
５月にみた「スヌーピー」の石像
ルネッサンス様式でシンメトリーな造りの正面。重厚な石造りだ。
ファミリアホールのそばにくるとカメラを構えた人が増えてきた。マスコミもちらほら。
玄関にはファミリアの看板。歴史的建造物によく合ってる。
コーニスは、曽禰達蔵らしい実直でスタンダードタイプ。
エントランス
当時の雰囲気が残っていそうなエントランス。
扉に書いてあった独特な「いらっしゃいませの」の文字がかわいい。
小さめだけど銀行らしい重厚感のあるコリント式の列柱とアーチがお出迎え。
ファミリアホールの館内ホール
ホールの中はガラーンとしていた。
カウンターだけポツンとあるだけでなにもなく解体を待ってる寂しい感じ。
旧三菱銀行神戸支店の金庫
ふたつの金庫室が並んでいました。
中を覗くと結構広かい。支店といっても大きな銀行だったようです。
デカくて分厚い金庫の扉。メカニカルな感じがたまらなくカッコいい。
火災の時の持ち出し用？ハシゴがないと開けれない頑丈な扉。
大日本東京大倉製の金庫のようだ。
この金庫の扉も貴重だと思うんだけど捨てないよね？
館内の写真
カラフルな階段室。
今では見かけなくなった感じの床のタイルもおしゃれだ。
これも解体されて壊されてありきたりの床になっちゃうのだろう。
蛍光灯が残念な痛々しい天井。
こういうのを見ると古い建物を今も活用していくのは難しいんだなと痛感。
ホール天井は細かい装飾が美しかった。
まとめ
ファミリアホールの見学会は平日にもかかわらず見学者がひっきりなし。
年代も幅広く神戸の人たちは近代建築への関心が高いのかも。ただ残念なことに神戸の街からは近代建築がひっそりと姿を消していってるのが事実。
ファミリアホールの横にそびえる三井不動産レジデンシャルのタワーマンション。ファミリアホールもタワーマンションになって２棟並ぶ予定。
曽禰達蔵が設計した建築で現存している建物は少ないので解体されるのは非常に残念です。
やっぱり残るのは下だけなのかなこうなるとまったく魅力を感じなくる。
さらばファミリアホール、曽禰達蔵の旧三菱銀行神戸支店がどんな姿になるのかまた見にきたい。
旧三菱銀行神戸支店の洋館手帖
| 竣工 | 1900（明治33）年 |
|---|---|
| 設計 | 曽禰達蔵 |
| 所在地 | 兵庫県神戸市 |
| 見学情報 | 2016年3月解体（外壁保存） |