MENU
東京女子大学のレーモンド建築の洋館図鑑

東京女子大学のレーモンド建築の洋館図鑑

目次

東京女子大学で今も大切に使われているアントニン・レーモンドの洋館たち

東京都杉並区にある東京女子大学
1918(大正7)年に私立東京女子大学」として創立したプロテスタント系の大学。

キャンバスには、1920〜1930 年代に建てられた多くの近代建築が現存していて使われています。

きょうは有形文化財に指定されている近代建築が立ち並ぶ東京女子大学の構内を案内してもらいました。

東京女子大学の本館

正門の先で目に入るのが本館。

VERA 広場の向こうに見える本館は、東京女子大学のシンボル的な建物で1931(昭和6)年に竣工しました。

A・レーモンドが設計した東京女子大学の本館 竣工 1931(昭和6)年

本館の入口前にある2本の木は12月にクリスマスツリーとなります。

QUAECUNQUE SUNT VERA

白亜の壁に『QUAECUNQUE SUNT VERA』と刻まれています。このラテン語は新約聖書の聖句の一節で『すべて真実なこと』という意味です。

大学の竣工時に「大学に対する希望を特に示すもの」として決められたそうです。

東京女子大学本館のQUAECUNQUE SUNT VERA(すべて真実なこと)

QUAECUNQUE SUNT VERAのVERAは、秋に催される大学祭の VERA 祭の名称に使われています。

洋館図鑑東京女子大学本館
竣工1931(昭和6)年
文化遺産登録有形文化財(13-0027)

東京女子大学の6号館(東校舎)

6号館(東校舎)は1927(昭和2)年に竣工。

東京女子大学の6号館(東校舎)

7号館(西校舎)と対になった建物で、主に教室として使用しているそうです。

洋館図鑑東京女子大学6号館(東校舎)
竣工1927(昭和2)年
文化遺産登録有形文化財(13-0029)

東京女子大学の7号館(西校舎)

7号館(西校舎)は 1924(大正13)年という大学の創立初期に建てたれた校舎。

東京女子大学の7号館(西校舎)

6号館と7号館は外観は同じだけど、7号館はE字型平面になっています。

画像引用:Googleマップ
洋館図鑑東京女子大学 7号館(西校舎)
竣工1924(大正13)年
文化遺産登録有形文化財(13-0030)

14号館(安井記念館/キリスト教センター)

初期に竣工したひとつで住宅建築で第二代学長の安井てつ氏の住居として使用していました。

東京女子大学の14号館(安井記念館/キリスト教センター)

現在は本学のキリスト教活動・行事の拠点であるキリスト教センターとして使用されています。

洋館図鑑東京女子大学14号館(安井記念館)
竣工1925(大正14)年
文化遺産登録有形文化財(13-0031)

16号館(外国人教師館)

創立初期の建造物のひとつで外国人の教師たちが生活した住居でした。

強調された水平ラインと深い庇、デコラティブな装飾がフランク・ロイド・ライトの建築を思わせます。左右に配したフラワーベースがさらにライトっぽさを感じます。

東京女子大学の16号館(外国人教師館)

現在は、1階に女性学研究所があります。

17号館(ライシャワー館)

創立当時からA.K.ライシャワー博士の家族が暮らした建物で欧米風でプレーリー・スタイルの外観です。

1階が外国人留学生の交流の場として活用されています。

東京女子大学のライシャワー館(17号館)
東京女子大学のライシャワー館(17号館)の正面

中央の玄関はシンプルですが趣のある装飾で窓の大きさは左右で違っています。

洋館図鑑東京女子大学17号館(ライシャワー館)
竣工1927(昭和2)年
文化遺産登録有形文化財(13-0033)

礼拝堂(チャペル礼拝堂)

東京女子大学の礼拝堂(チャペル礼拝堂)
洋館図鑑東京女子大学講堂・礼拝堂
竣工1938(昭和13)年
文化遺産登録有形文化財(13-0028)

東京女子大学で解体された名建築

東京女子大学を見学した 2006 年には現存していましたが、文化財に指定されていなかった建物が解体されました。

5号館(東寮)は 2007 年に解体されて、13号館(旧体育館)は 2009 年に解体されました。

5号館(東寮)

東京女子大学の東寮は、日本では初めての女子個室寮で関東大震災のダメージがほとんどなかった建物でした。

東寮は鉄筋コンクリート造で居室は3畳の個室になっていたそうです。

東京女子大学の5号館(東寮)の入口

東寮のメモリアルプレート

東寮が閉寮になった 1988年に東寮卒業生有志から贈られたメモリアルプレートがありました。

寝食を共にしつつ 学生らが考え 学び 笑い 悩んだ熱い青春の日々が ここにあった 個を確立する場としての一人部屋 相互を高め合う場としてのパーラー等を備えた設計は 米人建築家 A・レイモンド氏の手になるものである 東西二つの学寮は六十余年に及んだ使命を終えた 感謝と愛情をこめてここにこれを誌す 

1988年1月 東寮卒業生有志

東寮の卒業生有志から贈られた東寮へのメモリアルプレート

東寮 定礎石

1922(大正11)年に竣工したことを示す定礎石。9のフォントがカワイイ。

東寮の1922年の定礎石

13号館(旧体育館)

東京女子大 A・レーモンドの洋館手帖

東京女子大の建築群を設計したチェコの建築家アントニン・レーモンド。

どの建物も経年による劣化はあるけど、大切に保存・活用されていました。

建物の姿を眺めていると東京女子大学のよさを学校なのだと思った。これからも大切にしていて欲しいです。

用途竣工
6号館東校舎1927(昭和2)年
7号館西校舎1924(大正13)年
14号館安井記念館1925(大正14)年
16号館外国人教師館1924(大正13)年
17号館ライシャワー館1927(昭和2)年
礼拝堂チャペル礼拝堂1938(昭和13)年
本館 1931(昭和6)年
5号館(2007年解体)東寮1922(大正11)年
13号館(2009年解体)体育館1924(大正13)年

東京女子大のA・レーモンド建築は、普段は見学できませんが毎年、秋に催される大学祭「VERA 祭」で校内を見学することができます。

南海ビルヂング(大阪)の設計もA・レーモンドです。

東京女子大の公式SNS

東京女子大の最新情報は、公式 SNS をフォロー。

ツイッター@twcuPR
インスタグラムtwcu_pr
YouTube@twcuPR
目次